- ネットワークビジネスにおいて守るべきルールがわからない
- 勧誘方法について相手から違法だと指摘された
本記事は、ネットワークビジネスに関して無知な方、初心者の方向けの記事になります。
ネットワークビジネス、MLM、マルチ商法、マルチまがい商法、ねずみ講、連鎖販売取引といった名前を聞いたり、そういうものに家族や友人が参加しているもしくは参加する可能性がある方も、事前の予備知識として読んでおくことをお勧めします。
- 2018年ネットワークビジネスで脱サラ
- ネットワークビジネスの説明会に40社近く参加
- 年間で150名以上のネットワークビジネスの会員から話を聞いている
ネットワークビジネスに限らず、どんな仕事にも守るべきルールと法律があります。本記事では、ネットワークビジネスにおける守るべきコンプライアンスについて解説していきます。
結論から言うと、ネットワークビジネスでは「特定商取引法」を主軸に、ほとんどの会社は「薬機法」で定められた規制を守る必要があります。誰でもうっかり違反してしまうような行為ばかりなので、知らないと損をしてしまう可能性があります。
それでは、本編をどうぞ!
ネットワークビジネスは違法なのか?
ネットワークビジネスとは、マルチレベルマーケティング(MLM)の別名で、マーケティングプランとして採用している会社は、現在確認できるだけでも日本に500社以上あります。
ネットワークビジネスは、法律では”連鎖販売取引“に該当し、違法ではありません。
形態がねずみ講と類似点が多いため、よく混同されてしまう傾向にありますが、ねずみ講は”無限連鎖講”というもので法律で禁止されており、ねずみ講は違法になります。
詳しい解説はこちらの記事をぜひご覧ください。
ネットワークビジネス自体は合法のビジネスですが、ひとつの仕事である以上、守るべきルールや法律が存在します。
それらに違反すれば当然、違法行為となってしまうため、ネットワークビジネスをするにあたってどのようなことを守れば良いのか、きちんと知ることが必要です。
ネットワークビジネスで守るべき法律とは
ネットワークビジネスは、特定商取引法という法律の「連鎖販売取引」に該当します。
企業によって扱っている商材や流通形態に細かい違いがあるので、守るべき法律も異なってきます。
これを「法令順守」「社会的規範を守る」という意味でコンプライアンスと呼びます。
どのような仕事にもコンプラアンスは存在しますが、ネットワークビジネスで守るべき法令とはどのようなものなのでしょうか。
もしコンプライアンスに違反することがあった場合、会社からの処分や行政からの処分も十分あり得るため、「知らなかった」というのは理由になりません。
ネットワークビジネスの大手企業はほとんどが化粧品やサプリメント、日用品を扱っているため、特定商取引法だけでなく薬機法についても詳しく知っておくと良いでしょう。
詳しく解説していくよ!
特定商取引法
正式な法律名は、「特定商取引に関する法律」といいます。
特定商取引法は消費者の保護と公正な取引を目的とした法律で、消費者を守るために存在しています。
ネットワークビジネスでは、特定商取引法のなかでも「連鎖販売取引」で定められたルールを守る必要があります。
しかし、ネットワークビジネス活動者に年間200人以上お会いしていると、なかにはルールを守らずに活動していたり、そもそも知らずに宣伝広告をしている人が多い印象です。
主に以下の行為についてルールが定められています。
- 氏名等の明示
- 勧誘目的を告げない誘引方法
- 必要事項を記載した書面の交付
- 誇大広告の禁止
- 不実告知の禁止
- 重要事項の故意の不告知
- 断定的判断の提供
- 販売目的を隠して公衆の出入りしない場所に誘い込んだ上での勧誘
- 威圧・困惑の禁止
- 20日以内のクーリング・オフが可能
これらの行為を故意に違反したり、もしくは知らずに違反することで違法行為になる可能性があります。
過去に私が勧誘を受けたときも、きちんとした手順で声をかけてくる人もいれば、明らかに特商法に違反した勧誘をしてきた人も実際にいます。
例えば、直前で「友人も一緒にお茶しても良いか」と言われOKしたら、ネットワークビジネスの勧誘だったこともあります。これは勧誘目的を告げない誘引方法になるので、違反行為にあたります。
「絶対稼げる」「絶対儲かる」と言って勧誘されたこともありますが、誇大広告にあたり禁止行為です。
また、会社から振り込まれた金額を見せるために通帳や収入明細を出してきた方たちもいましたが、これは断定的判断の提供に該当してしまいます。
違反している人たちは、素直に教わっていることを実践しているだけで知らずに行っている場合もあれば、理解していて故意に誤った勧誘をしている場合もあります。
特定商取引法に十分に配慮して勧誘活動をしているかどうかで、信用できるか判断する基準にもなりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
知らずに違反してしまってることもあるんだね!
薬機法(旧薬事法)
薬機法の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
以前は薬事法と呼ばれていましたが、2014年の改正に伴い、現在では薬機法という略称が使われています。
薬機法は、医薬品や医療機器だけでなく、医薬部外品や化粧品をはじめ健康食品まで幅広く定義しており、行き過ぎた表現を規制しています。
ネットワークビジネスの会社の大手企業のほとんどは、健康食品(サプリメント)や化粧品などの日用消耗品を主力製品として扱っています。
そのため、薬機法について知らないと違反となる虚偽・誇大広告をしてしまう危険があります。
厚労省のホームページでは、以下のように規制しています。
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
医薬品等の広告規制について(厚労省公式ホームページ)
医薬品や医薬部外品で認められているような効果・効能の表現は行ってはならないため、「効く」「治る」「改善する」といった言葉は虚偽や誇大広告にあたってしまうということです。
ネットワークビジネスでは商材は欠かせないものなので、良さを伝えようとするあまり病気や持病についての体験談などを話す方もいますが、効果・効能の保障になってしまうため実は違反行為となります。
医師でない人が効果・効能について話すのは良くないことなんだね!
過去に法令違反を起こした会社
過去にコンプライアンス違反で行政処分になった会社をいくつかご紹介します。
実際にはどのような会社が行政処分を受けているか調べてみました。
- ナチュラリープラス
- フォーデイズ
- M3
- アイテック
- アリックス
- リゾネット
現存している会社もあれば、すでに倒産あるいは会社名を変えてしまった会社など行政処分後の行く末は様々です。行政処分の内容は、消費者庁のホームページで確認することが可能です。
連鎖販売取引だけでなく他の業種もありますが、行政処分を受ける会社は毎年50件を超えています。
行政処分を受けた会社が一概に危険な会社とは言えませんが、その後の対応次第では会社の方針が分かれるところなので、十分に確認することをおすすめします。
なかには、行政処分を受けたことで業務が改善され、売上が向上した会社もあります。
処分を受けた後に、会社名を変更することで業務の改善を全く行わない会社は特に注意しましょう。
ご自身で判断するのが難しいケースもあると思うので、しっかりと情報収集して検討することが重要です。
まとめ
ネットワークビジネスにおけるコンプライアンスについて解説しました!
ネットワークビジネスの売上高ランキング上位の企業のほとんどは、健康食品(サプリメント)や化粧品を扱っており、守るべき法律は「特定商取引法」と「薬機法」になります。
知らずにいたら、簡単に違反してしまうような内容ばかりでしたね。
消費者を守るために定められたルールや規制がたくさんあるので、あらかじめ知っておくことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました!